1月26日、O組合員の処遇に関して株式会社群成舎(群馬県高崎市上並榎町129-1)に対して再度の要求書を提出した。最初の要求書提出は、昨年末12月20日付だった。そのときの要求項目は以下の4つ。
タイムカードの設置等による適正な労働時間管理を行うこと。
36協定の締結状況について開示をすること。
2015年11月分、12月分の「業務手当」支払い分を超えた残業代を支払うこと。
当労働組合に対して就業規則の開示をすること。
12月31日を団体交渉の開催期限として設定した。
これに対して群成舎が行ったこと。
12月分の「業務手当」(2万円)を超える残業代の支払い。自己申告をもとに(何しろタイムカードを置いていない、労働時間の管理をわざとやらない)Oさんにおよそ7万円を支払った。(新人にどれだけ残業やらせているんだ?)
組合に対しては一切の連絡をしない。無視を決め込む。
12月29日に「新入社員との恒例の面談」と称して(普段そんなことやってはいない)、社長がO組合員を個別に呼び出して、不当介入。
O組合員の配属を変更。群馬の西の端に住み、親の介護を抱えるO組合員を足利に配属。片道70キロ。2~3時間。通勤時だともっとかかる。高速だと片道2000円かかるが、これも会社は負担しない。
会社にノートパソコンを2回持ち込んだとして「始末書」提出を指示。(懲戒)
つまり組合に手をつけられる前にO組合員をつぶす、ということだ。
O組合員も悩んだ。泣き寝入りはしたくないと組合に加入したO組合員だが、まだ「試用期間」の身。仕事も勉強中で、そんな中社長直々の不当介入に眠れなくなる。もともと病気の母親の介護をしながら働ける職場として就職した群成舎。そこへ足利への配置転換。組合が要求書を出しても無視を決め込む会社。毎朝5時に家を出るしかない。先週は雪が積もって、4時半だ。母親と顔を合わすこともできなくなった。それでもやれるところまでがんばろうと決意したO組合員だったが、母親がおかしくなってしまう。体も限界で、もうだめかな、と思った。そんなときに、話を聞いて「そこまで思っているならやれるところまでがんばって!」と言ってくれる家族がいた。再度闘う意思を固めたO組合員。ようし!やってやろう!そこで再度の要求書提出。要求書は以下の通り。
2016年1月26日
要 求 書
昨年12月20日付の当組合からのOの組合加入通告を兼ねた「要求書」に対して、貴社は何らの回答も返答もしなかった。そればかりか、当組合が、同「要求書」において「労働組合への加入に関する『支配』『介入』も不当労働行為=違法行為として禁止されていますので、Oへの『事情聴取』等も含め、そうしたことのないように強く申し入れます」と書き添えたにもかかわらず、貴社代表取締役・芝崎勝治社長は、2015年12月29日16時07分頃から、「新入社員との面談」と称してH部長とともにOを個別に呼び出し、1時間以上にわたって話をする中で、つぎのような不当介入を行った。
「ちょっと確認したいんですけど、Oさんは、群馬合同労働組合と関係しておられますか?」
「これはどんないきさつで、いつ頃入られたのですか?」
「特にこだわっていないんであれば、普通の関係で。まず信頼関係を作ってもらって。」
「私はビックリしました。こういうこといきなりやってきた人ははじめて」
「まだお見合い期間中ですから、私は信頼関係を大事にして、ざっくばらんにずっとつきあう。こういうことだとざっくばらんに話できそうにないので」
「信頼関係できないと看板背負ってやってもらうというわけにはいかない、僕は怖いなと思う」
「僕はOさんとの信頼関係を作っていくのに第三者の介在が必要だとは思わない。それでも無理矢理そうしたいのであれば、社会的なルールというのがあるのでしょうから、それに従ってやりたいと思いますけど、だけどどうしてこの時期かなと。そう思ってしまうので、その辺はよくお考えください」
「まずは会社に貢献してください」
等々
この件に関して群馬合同労働組合は強く抗議すると同時に、本「要求書」に対して「社会的ルール」に従わず、団体交渉を期限内に行わない場合には、すみやかに群馬県労働委員会への不当労働行為救済申立を行うことを通告する。
要求項目は以下の通り。団体交渉の開催期限は、2016年2月5日とする。まずはすみやかに、芝崎勝治社長は、当労働組合書記長・清水彰二まで連絡を入れるように要請する。なお、団体交渉には、不当介入を行った芝崎勝治社長が必ず出席されたい。
記
2015年12月29日の芝崎勝治社長による不当介入を謝罪すること。
タイムカードの設置等による適正な労働時間管理を行うこと。
36協定の締結状況について開示をすること。
「業務手当」支払い分を超えた残業代を支払うこと。
当労働組合に対して就業規則の開示をすること。
Oの足利○○配属について、当初「長くても1ヶ月程度」との約束で同意したが、合意が反古にされつつある。期間と通勤問題について釈明を求める。
以上
前日の1月25日の夜、締め日だから帰りに本社に寄るように指示され寄ってみると、O組合員を待っていたのは「始末書」を提出するようにの通告。頭にきてO組合員は上司に「黙ってはいない」、とやった。急ぐ必要がある。翌早朝に要求書をファクスで通告。
さらに午前10時過ぎに清水書記長が要求書の原本を持って会社に乗り込む。
対応した受付の事務の女性が「社長は外出中。夜まで戻りません。」「連絡もちょっと…とれない…」。困った顔でしどろもどろ。どうやら対策会議をやっている最中の雰囲気。
事務の女性が困っているところへ清水の来社を同僚が上役に報告。K総務課長が出てきた。「社長にちょっとご挨拶しておきたい」というと「今いないので、来社したことは伝えておきます」。
「今朝ファクスしたものは見ていますか?」
「私は確認していませんのでわかりません。」
「今朝届いていない?」
「私の方は確認しておりませんので…」
「じゃあ要求書を渡しておきますので。これ提出しておきます」
「あの、預かれないんで…」
K総務課長はプルプル震えている。
「預かれないじゃない。預かってください。」
「申し訳ないんですけど、持ってきましたということで伝えておきますので…」
「いや、これはダメですよ。これはちゃんと渡しておきます」
「申し訳ないんですけどお持ち帰りください」
「社長に渡してください」
「申し訳ないんですけど」…(繰り返し)
「そういうことはできない。これはちゃんとした形で出しているんですから。公文書ですから。社長宛に持ってきたんです」
「本当に申し訳ないんですけど」
「申し訳ないじゃない。これは公文書だから。置いていきますからね。Kさんにちゃんと渡しましたからね」…
「私の方で判断できないので…」
「社長の方に渡してくださいと言っているの」
「申し訳ないんですけどお引き取りください」
「できない。公文書ですから。そういうことをやるわけですか!ここは!」
「私の方がわからないので」
「社長に渡してくださいって言っているの」
「できないので」
「渡してください。預けますから。社長に預けますから」
「お引き取りください」
「ダメです」…
「ここ置いていきますからね。公文書ですからね。預けましたよ」
「清水さん…」
「ダメです」と要求書を置いて出てくる。さすがに追いかけては来なかった。
ちなみにとっさに「公文書」ということばが浮かんだが、正しくは「公的文書」。どうでもいいが。こういう会社、世間では「ブラック企業」と言うのではないか…
群馬合同労組は、人生かけて立ち上がる労働者を最高に尊敬する。どこまでも、苦楽をともにして勝利まで闘う。職場に団結と闘争を!